学びを地域と企業の実践へ 伊達のリカレント キックオフシンポジウム2026を開催しました
2026/10/28
2026年10月6日(火)、仙台市のアーバンネット仙台中央ビル YUI NOSで、「伊達のリカレント キックオフシンポジウム2026」を開催しました。
2年目を迎えた「伊達のリカレント」。今回は、昨年度の学びをより幅広い地域・企業へ広げ、実践や成果につなげることをテーマに、2つの基調講演と1期生・派遣企業によるパネルディスカッションを行いました。幅広い年代の方や、エッセンシャルワーカーをはじめとする多様な職種に携わる地域人材へ、学びの機会をどのように広げていくかを考える場となりました。


片見氏が語る 学びを地域・企業の実践へつなげるために必要な視点
文部科学省の片見悟史氏(生涯学習推進課 リ・スキリング推進室長)はオンラインで登壇し、2026年に入ってリスキリングが国全体で一層注目されていると述べました。その背景として、生成AIの普及、人生100年時代における生き方の多様化、人口減少などを挙げ、学び直しと一人ひとりの生産性向上の重要性を説明しました。

また、大学が研究機関ならではの専門的な強みを活かしつつ、企業や地域のニーズを結びつけた研修プログラムをつくることや、すべての世代が学んだことを職場で実践できる環境を整える必要性を述べました。学び続ける社会に向けて、人材育成を成長への投資として捉え、学びの成果を見える形にし、職場での活躍・処遇改善といったキャリアアップにつなげる視点について説明しました。
中野氏が紹介する地域現場でのDX実践事例と、必要となるスキル
NTT東日本の中野郷氏(宮城支店 ビジネスイノベーション部 部長)は、地域の実践事例をもとに、DXの推進と人材育成に向けて、リスキリングで身につけるべき知識やスキルについて講演しました。
仙台市の診療カーによるオンライン診療を例に、看護師が患者のもとへ出向き、バイタルデータを確認しながら離れた医師につなぐ取り組みを紹介しました。
こうした実践を実現するには、「地域において産学官金報をはじめとする多様な主体の連携」や「地域に染み込むこと」が重要であり、さらに 個人には、知識や課題解決力に加え、地域の現場に入り、地域の人々と信頼関係を築きながら周囲を巻き込む力が求められると述べました。

パネルディスカッションで共有した学びと実践
パネルディスカッションでは、株式会社NTT DXパートナー 代表取締役の長谷部豊氏をモデレーターに、株式会社藤崎ビジネスサービス 専務取締役の宮島徹氏と、国分東北株式会社 経営統括部 兼 人事総務部の山辺圭右氏が登壇しました。修了生、受講生派遣企業というそれぞれの立場から、「伊達のリカレント」に参加した理由や、修了後の変化などを紹介しました。
宮島氏は、ミドル・シニア層のキャリア形成を支える人材ビジネスを広げたいという思いから、2025年度に経営マネジメント講座を受講。 講師や他の受講者からの学びが、自社における営業力の向上や社内人材の育成につながり、さらに事業計画の具体化にも役立ったと述べました。受講後は、講座で一緒だったメンバーから専門家の紹介もあり、人的ネットワークの拡がりに手ごたえを感じていて、社内に営業企画チームを立ち上げています。

2025年度に4講座に合計8名を送り出した山辺氏は、若手・ベテラン両方の社員の視野が広がり、業務提案を言葉や数値で具体的に示す姿勢が強まったと紹介しました。積極的に異業種の人と交流し意見交換をする姿勢、DXやAIで生まれた時間を新たな事業創出の検討に充てようとする動きが社員から出ていることが紹介されました。宮島氏も、事業の独自性を考える視点を社内で共有し、販売職の人材育成に生かしていると語りました。
長谷部氏は、学ぶ目的を明確に持ち、日々の業務での活用を意識しながら仕事に取り組む姿勢が、登壇者2名に共通していると指摘しました。また、学んだことも実践しなければ忘れてしまうことから、学びと実践を同時並行で進めることの重要性を強調しました。
本シンポジウムを通じて、学ぶ目的を明確に持ち、自社の常識にとらわれず、多様な考え方を受け入れることの大切さが共有されました。また、地域の企業や人材と成功・失敗の経験を分かち合い、地域課題を踏まえて学ぶことで、経済的価値と社会的価値の両面から事業を考える視点が広がることも紹介されました。継続的なグループワークで育まれる信頼関係が、将来の共創につながる可能性も感じられる機会となりました。

